Windows 環境で Ruby 3.3 の補完が強化された irb や rbs-inline などの最新の機能を試したいたいときは RubyInstaller を使わずに WSL 経由で入れた方が挙動が安定していておすすめです。
また Ubuntu で snap を使って Ruby をインストールすると標準ライブラリのドキュメントがインストールされず irb の補完時にドキュメントが表示されないため、 rbenv 経由でインストールしています。
動作確認環境は
- Windows 11 23H2
です。
WSL のインストール(新規)
> wsl --install
https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/wsl/install
これで Ubuntu の安定版がインストールされるはずです。そのまま rbenv のインストールに進んでください。
WSL のインストール(追加)
Ubuntu 22.04 LTS を入れてそこに rbenv 経由で Ruby 3.3 を入れます。
一度 wsl update して最新にしておきます。
> wsl --update 更新プログラムを確認しています。 Linux 用 Windows サブシステムの最新バージョンは既にインストールされています。
wsl -l -v
で今何が入っているか確認します。(私の環境では古い Ubuntu 20.04 が入っていました)
> wsl -l -v NAME STATE VERSION Ubuntu-20.04 Running 2
wsl -l --online
でインストールできるディストリビューションを確認します。
> wsl -l --online インストールできる有効なディストリビューションの一覧を次に示します。 'wsl.exe --install <Distro>' を使用してインストールします。 NAME FRIENDLY NAME Ubuntu Ubuntu Debian Debian GNU/Linux kali-linux Kali Linux Rolling Ubuntu-18.04 Ubuntu 18.04 LTS Ubuntu-20.04 Ubuntu 20.04 LTS Ubuntu-22.04 Ubuntu 22.04 LTS Ubuntu-24.04 Ubuntu 24.04 LTS . .
wsl --install -d Ubuntu-22.04
で Ubuntu 22.04 LTS をインストールします。
Ubuntu のユーザー名とパスワードを入力すればインストール完了です。
> wsl --install -d Ubuntu-22.04 . . Enter new UNIX username: username New password:password Retype new password:password passwd: password updated successfully この操作を正しく終了しました。 Installation successful!
lsb_release -a
でインストールされたバージョンを確認します。
$ lsb_release -a No LSB modules are available. Distributor ID: Ubuntu Description: Ubuntu 22.04.3 LTS Release: 22.04 Codename: jammy
rbenv 経由で Ruby 3.3 を入れる
1. apt install
まず、rbenv と Ruby をコンパイルするために必要な依存関係をインストールします。
sudo apt update sudo apt install -y build-essential libssl-dev libreadline-dev zlib1g-dev libffi-dev libyaml-dev
※ https://github.com/rbenv/ruby-build/wiki#ubuntudebianmint で推奨を全部入れてもいいかもしれない。
2. rbenvのインストール
次に、 rbenv と ruby-build をインストールします。
# rbenv のクローン git clone https://github.com/rbenv/rbenv.git ~/.rbenv # rbenv をパスに追加 echo 'export PATH="$HOME/.rbenv/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc echo 'eval "$(rbenv init -)"' >> ~/.bashrc # シェルの再読み込み source ~/.bashrc # ruby-build プラグインのクローン git clone https://github.com/rbenv/ruby-build.git ~/.rbenv/plugins/ruby-build
3. Ruby 3.3 のインストール
rbenvを使ってRuby 3.3をインストールします。
# rbenv を使って Ruby 3.3 をインストール rbenv install 3.3.2 # グローバルで使用する Ruby のバージョンを設定 rbenv global 3.3.2 # シェルの再読み込み exec $SHELL
インストールの確認コマンドruby -v
を実行して、正しくインストールされたかを確認してください。
$ ruby -v ruby 3.3.1 (2024-04-23 revision c56cd86388) [x86_64-linux]
まとめ
WSL に Ubuntu 22.04 LTS を入れて rbenv 経由で Ruby 3.3 を入れました。これで強力に補完の効いた irb が使えるようになります。代入したローカル変数にもちゃんと補完が効くのがいいですね。