Obsidianをはじめとするネットワーク型のメモアプリは、ノート同士をリンクで自由に繋げる「グラフ構造」が最大の強みです。
しかし、長期間使っていると、どうしても解決したい悩みが出てきました。それは、「関連するノート同士を、一本の線のようにサクサク行き来したい」という欲求です。
日記の連なり、定期的に発生するログ、あるいは思考が発展していくプロセス。これらは本来「点」ではなく、連続した「流れ(線)」です。 サイドバーのバックリンクから該当するノートを目視で探したり、フォルダツリーから次のファイルを探したりするのは、思考の大きなノイズになります。
そこで、ノートのつながりを「川のようにつなげる」プラグイン、Previous River を作りました。

Previous River でできること
使い方はシンプルです。
フロントマター(YAML)に previous: "[[前のノート]]" と書くだけ。
これだけで、ショートカットキーを使って「前のノート」と、バックリンクから自動判定された「次のノート」へ一瞬で移動できるようになります。
- 直感的なキーボード操作: 移動機能にショートカットを割り振ることで、前後のノートをブラウザの「戻る・進む」のように高速に行き来できます。
- 自動で「次」が繋がる: 「次のノート」を明示的に指定する必要はありません。「前のノート」からリンクを張れば、システムが自動的に「次のノート」を認識します。さらにシリーズの「先頭」「末尾」への一発ジャンプも可能です。
- プロパティベース:
previousプロパティを使うので、Obsidian標準の機能と相性が良く、データのポータビリティも高いです。
具体的な活用シーン:ノートが「線」になると何が変わるか
Previous River は、バラバラのノート群を「一連の文脈を持った流れ」として捉え直すためのツールです。
1. 定期的なログ(献立・通院・議事録)を繋げる
毎週の献立、通院記録、定例会議の議事録などを「数珠つなぎ」にすると、過去の情報へのアクセスが劇的に便利になります。
ノートの日付や保存フォルダが離れていても問題ありません。同じ種類のノートを線で繋ぐだけで、次のような過去の文脈を即座に引き出せます。
- 前回の診察で話した内容
- 前回決まったアクションアイテム
2. ウィークリーノートもデイリーノートのように移動する
デイリーノートは標準機能や他のプラグインで「前日」「翌日」に移動できますが、ウィークリーノートやマンスリーノートの移動は意外と面倒です。
Previous River で先週のノートを previous に指定しておけば、ショートカット一発で「先週のタスクはどうだったか」「来週の展望は」と、週単位・月単位の文脈をスムーズに往復できます。
3. ツェッテルカステン(Zettelkasten)の思考を整理する
Zettelkastenメソッドで作成した「永久保存メモ(Permanent Notes)」を、思考の発展順(関連の近いもの順)に並べていくのにも最適です。 フォルダという階層構造に頼らず、思考の近さに従ってノートを連ねていくことができます。
ノートの「並び替え」が自由自在に(v0.2.0新機能)
今回のアップデート(v0.2.0)で、ノートの「順序」を操作する強力なコマンド群を追加しました。これにより、手動でYAMLを書き換えるプロセスの大部分を自動化できます。
- Insert note: 選択したノートを、現在のシーケンス(流れ)の途中に「新しい知見」としてスッと差し込みます。前後のリンクは自動でつなぎ直されます。
- Insert note to first / last: ノートをシリーズの「最初」や「最後」へ一発で移動させます。
- Detach note:
previousプロパティをリセットし、そのノートを現在の流れから切り離します。
インストール方法
現在は先行公開版のため、BRAT(Beta Reviewer's Auto-update Tool)経由でインストールします。手順は以下の通りです。
- Obsidianの設定から コミュニティプラグイン を開き、BRAT をインストールします。
- コマンドパレットを開き、
BRAT: Add a beta plugin for testingを選択します。 - リポジトリURLの入力欄に以下を入力します。
https://github.com/ongaeshi/previous-river - コミュニティプラグイン の一覧から Previous River を有効化します。
まとめ
私は過去の議事録や献立表を辿る際、前後のノートそれぞれに手動でリンクを設定する作業にストレスを感じていました。このプラグインは、その課題を解決するために開発しました。
「リンク」は点のつながりですが、「シーケンス(順序)」は文脈のつながりです。 思考がどのように移り変わっていったのか、その「川の流れ」を遡る体験をぜひみなさまも実感してください。
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